動物をとりまく環境と私たちの生活
−動物と環境にやさしい科学をめざして−(pdf)へのリンク
生体機構学分野では、地球温暖化などの環境要因と動物・家畜の生理機能の関係を遺伝子・細胞・組織・生体レベルで解明し、機能性成分などを活用して動物の健康維持と家畜の生産性向上に貢献できる研究を行っています。
主な研究テーマは以下のとおりです。
【高機能性成分を活用した動物の生理・免疫・生殖機能の改善】
動物や家畜は環境の変化によって、生理・免疫・生殖機能に異常をきたすことがあります。そこで、食品や飼料中に含有される機能性成分を活用して、哺乳動物の生体機能に及ぼす効果を生化学的、病理組織学的および分子生物学的手法で解析します。
・β―カロテンによる新生児の腸管免疫改善法の開発
・妊娠・泌乳マウスのカルシウム代謝に及ぼす植物エストロゲンの影響
・アスタキサンチンによるウシ初期胚の暑熱ストレス緩解効果
【環境に配慮した乳牛・肉牛の飼養管理システムの開発】
牛は人間の利用できない草を利用して栄養価の高い牛乳や牛肉を生産するが、一方で地球温暖化の一因となるメタンや湖沼・河川の汚染源となる窒素、リンなどを排泄します。そこで、環境に配慮した飼養管理システムを開発するために、乳牛・肉牛の体内代謝に及ぼす暑熱ストレスなどの影響を生化学的、栄養生理学的な方法で解明します。
・自給粗飼料を活用した環境保全型乳牛・肉牛飼養システムの開発
・高温時における乳牛・肉牛の生産性改善と水資源の有効活用法の開発
【哺乳動物の繁殖機能を支える因子の解析と有効利用法の開発】
現在、家畜が高能力化する一方で、繁殖効率の低下が家畜の生産性向上を阻害しています。そこで、これらの過程に関与する因子を解析し、繁殖効率の改善ならびに繁殖障害の回避法を開発します。
・卵巣形成・機能に関与する因子の解析と卵母細胞の保存・発育促進法の開発
・哺乳動物着床前胚の発生と分化に及ぼす環境因子の影響の解析
受講推奨科目:動物生体機構学、動物環境生理学、動物生理学
|